第二部神殿的實習巫女 路茲的出路

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    創作內容





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    第二部神殿的實習巫女 路茲的出路


    作者:SPT草包│2018-10-05 19:11:00│贊助:0│人氣:26

    本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
    以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
    作者:香月美夜
    第二部神殿の巫女見習い ルッツの行く道
    第二部神殿的實習巫女 路茲的出路
    原文連結

    「ルッツは未成年だからな。余所の街に行って、泊りがけで仕事をするとなれば、親の許可は絶対に必要だ。許可なく連れだせば、誘拐扱いされる」
    「因為路茲是未成年呢。變得要去別處的城鎮,投宿且工作的話,父母的許可是絕對必要的。沒有許可帶出去的話,會被當誘拐處理」

     ベンノはゆっくりと息を吐きながら、事情を説明し始めた。課題一覧に書いてあったのが、「ルッツの親を説得し、外出許可を得る」というものだけだったので、説明をもらえるのは助かる。
     班諾一邊緩緩地吐氣,一邊開始說明事情。由於在課題一覽上寫著的,只有名為「說服路茲的父母,獲得外出許可」的東西,得到說明真是得救了。

    「マルクに許可を取りに行かせたが、許可がもらえなくてな。商人と職人としての常識の違いなのか、あそこの父親が殊更に頑固なのか、お前の意見が聞きたい」
    「雖讓馬爾克去取得許可,但許可沒得獲得呢。是作為商人與職人的嘗試不同嗎,那裡的父親更為頑固嗎,想聽聽妳的意見」
    「意見を聞きたいと言われても……。それって、つまり、ルッツを連れ出す許可を取る方法がないかってことですよね? でも、それはやっぱりルッツとベンノさんとルッツの両親が話をしなければならないことですよ。幼馴染とはいえ、わたしは完全な第三者なんですから」
    「就算被說想聽聽意見……。那個,也就是說,有沒有取得將路茲帶出去的許可的方法這事吧? 但是,那個果然是路茲和班諾先生和路茲的雙親必須要對話的事情吧。因為雖說是兒時玩伴,我是完全的第三者」

     仕事で外に連れ出したいと思うベンノ、実際に外に行くルッツ、それから、許可を出すルッツの両親。当事者はこれだけだ。わたしが口を出すような問題ではないと思う。
     想著因工作想要帶出去外面的班諾,實際上要去外面的路茲,還有,給出許可的路茲的雙親。當事人只有這些。我認為並非像是說出口般的問題。
     そう言うと、ベンノはガシガシと頭を掻いて、わたしを睨んだ。
     那樣說後,班諾猛然搔著頭,瞪著我。

    「だから、お前の意見を聞きたいと言っている。情報はいくらでも必要なんだ。お前の事を一番知っているのはルッツなら、ルッツの事を一番知っているのはお前だろう?」
    「所以,說了想要聽聽妳的意見。情報多少都是必要的。如果最知道妳的事情的是路茲,最知道路茲的事情的是妳吧?」

     何に関しても事前準備をきっちりするベンノだからこそ、ルッツの両親と交渉する前に情報を集めておきたいのだろう。仕事に関する事ならともかく、生活に関係するところならば、確かに、あれだけ一緒にいるわたしが一番ルッツには詳しいと思う。
     正因為是有關什麼都會準確做事前準備的班諾,在與路茲的雙親交涉之前想要先收集情報吧。如果是有關工作的是姑且不論,如果是關係到生活的點的話,的確,只有那個會認為在一起的我對路茲是最詳細的。

    「お仕事なのに、どうして許可が下りなかったんですか?」
    「明明是工作,為什麼許可下不來呢?」
    「それはこっちが聞きたい。マルクによると、許さん、の一点張りだったらしいぞ。ルッツの家庭環境があまり良くない事は屋根裏を貸す時に少し聞いたが、一体どういう状況なんだ?」
    「那個是這邊想聽的。根據馬爾克,似乎是堅持著,不允許這一點喔。路茲的家庭環境不太好這事雖在租借閣樓的時候稍微聽過,但到底是怎樣的狀況啊?」

     そういえば、ベンノに生活環境の話はほとんどしていなかったと思う。
     如此說來,想到幾乎沒對班諾說過生活環境的話題。
     自分が商人見習いになると宣言して、家の雰囲気が悪くなってからのルッツは、わたしにも家であったことをあまり話してくれなくなった。上司であるマルクやベンノには弱音を吐くように感じて、尚更言わないと思う。
     因為自己宣言要成為實習商人,家的氛圍變壞的路茲,也變得不太對我說在家的事情。像是對身為上司的馬爾克及班諾說洩氣話的感覺,我認為更加不會說。

    「ルッツはもともと商人になる事自体、家族に反対されていたんです」
    「路茲本來要成為商人這事本身,就被家人反對著」
    「何だと? 旅商人が反対されていたわけじゃなくて、街の商人も反対されていたのか?」
    「這算什麼? 並非是旅行商人被反對,城鎮的商人也被反對著嗎?」

     驚いたように目を見張ったベンノにわたしはゆっくりと頷いた。
     我對像是驚訝般瞪大了眼睛的班諾慢慢地點頭。

    「お父さんは建築関係のお仕事をしていて、ルッツのお兄ちゃん達はみんな、建築や木工関係の職人見習いをしているので、ルッツにも職人になって欲しかったみたいです。浮き沈みの激しい商人より堅実な仕事をする職人の方が安定していて良いって」
    「由於爸爸是做著建築關係的工作,路茲的哥哥們是大家做著,建築或木工關係的實習工匠,好像是希望路茲也成為工匠。比起浮沉激烈的商人從事堅實工作的工匠那邊可以很穩定」
    「職人だって安定しているわけではないだろう?」
    「工匠也並不會很穩定吧?」

     仕事がなくなって潰れる工房もあるので、職人が絶対に安定しているとは言えないかもしれない。けれど、腕が良ければ同業の工房で雇ってもらえるので、店を経営して借金を背負うようなことにはならない。
     由於也有工作沒了而潰敗的工坊,工匠不能說是絕對穩定的也說不定。但是,由於本領好的話會受雇於同業的工坊,不會變成要背負借款經營店家的事情。

    「商人は絶対に許さないって、言われたとルッツに聞いたことがあります」
    「有從路茲那聽到被說,商人是絕對不會允許的事情」

     職人の上前を撥ねるだけで、何も生み出さないとか、冷酷でなければなれない職業だとか、ルッツから聞いただけでもひどい言い草が多かった。一体どんな悪徳商人に痛い目にあわされたのか、と思うような言い様だと聞いている。
     只是撥給工匠的手續費,什麼都生不出來之類,必定是冷酷的職業之類,只是從路茲那聽到的過分說法也很多。到底是被怎樣的奸商給難堪了啊,聽到過如此認為般的說話方式。

    「……ルッツはよくそんな状況で商人になったな」
    「……路茲很好的在那樣的狀況裡成為商人了呢」

     この街の子供が親や親戚の口利きで家業に連なる職業に就くことを考えれば、ルッツは異質かもしれない。けれど、生き生きと仕事をしているので、ルッツの選択は間違っていなかったとわたしは思っている。
     考慮到這座城鎮的小孩子以父母或親戚的斡旋就任關聯家業的職業的話,路茲是異質的也說不定。但是,由於生氣勃勃地做著工作,我認為路茲的選擇沒有錯。

    「ルッツはどうしても両親に許されなかったら、住み込み見習いになるつもりだったんです。カルラおばさん……ルッツのお母さんがルッツの真剣さだけは認めてくれたから、今は家から通ってますけど」
    「路茲無論如何都不被雙親允許的話,是打算要成為住宿實習的。因為卡露菈阿姨……路茲的媽媽只承認路茲的認真,雖然現在是從家裡通勤」
    「住み込み見習い? そんなもんになろうと思うほど、家族とうまくいっていないのか?」
    「住宿實習? 想到要成為那樣的東西的程度,沒有跟家人好好說嗎?」

     ベンノが目を瞬いた。住み込み見習いという劣悪な環境に自ら飛び込む酔狂な子供なんて普通はいない。住み込み見習いになろうと思った時点で、自分の家よりそんな劣悪な環境がマシだと思っていると宣言したようなものだ。
     班諾眨著眼。所謂住宿實習是親自跳進惡劣環境裡的怪異小孩子之類普通是沒有。在想到要成為住宿實習的時間點上,是想著比起自己的家那樣的惡劣環境還好點而宣言般的東西。

    「今、うまくいっていないかどうかまでは、ルッツが言いませんからわかりません。ただ、ルッツのお兄ちゃん達があまりルッツに好意的でないところが気にかかっています」
    「現在,就連有沒有好好說,因為路茲沒說所以不知道。只是,路茲的哥哥們對路茲不太有好意的地方很掛心」
    「好意的じゃない?」
    「不是好意的?」
    「家族から見れば、父親に逆らって、ルッツが好き放題しているように見えるのかもしれないし、同じ業種ではないから、ルッツの努力や成果が見えなくて反対しているだけなのかもしれません。お兄ちゃん達とルッツのことについて話をした事はないから、わからないんです」
    「從家人來看的話,是違逆父親,路茲看起來就像是隨心所欲也說不定,因為並非是同樣的行業,沒看見路茲的努力或成果只是反對著也說不定。關於哥哥們與路茲的事情因為沒有談過,所以不知道」

     お兄ちゃん達ともルッツの事について、きちんと話をしたことはないけれど、ルッツのお父さんに至っては、わたしもほとんど面識さえない。
     關於哥哥們與路茲的事情,雖然沒有好好地談過,但是至於路茲的爸爸,我幾乎連認識也沒有。
     見た目はルッツの兄弟の中で長男のザシャが一番よく似ていて、建築関係の職人で仕事に誇りを持っているという事は知っているが、それだけだ。母親同士が井戸の周りで話をしているところはよく見るが、父親同士はあまり見たことがない気がする。
     外表在路茲的兄弟裡面是長男札夏最為相似,雖知道擁有著以建築關係的工匠而對工作自豪這回事,但也僅只如此。雖母親們在水井的周圍交談的地方很常見,但感覺父親們不太見過。

    「……ただ、両親の反対で自分の夢が潰されると知れば、ルッツは家を飛び出すと思います。ルッツは頑固で、こうと決めた事は譲らないから。でも、住み込み見習いは最後の手段でしょ? 家事という面でルッツの一人暮らしは厳しいし、色々言ってみても、家族は拠り所だとわたしは思ってますから」
    「……只是,知道因雙親的反對而自己的夢想被毀的話,我認為路茲會跑出家裡。因為路茲很頑固,規劃決定的事不會退讓。但是,住宿實習是最後的手段吧? 以所謂的家務層面路茲的一人生活會很嚴苛,因為就算試著說了各種的,我認為家人才會是依靠」
    「そうだな」
    「也是呢」

     そう言って、ベンノは一瞬上の階を見上げた後、苦い笑みを浮かべた。親を早くに亡くして苦労したベンノは、コリンナを見ればわかるように、とても家族を大事にしているし、恋人を亡くして独身を貫くくらい情の深いところがある。ルッツの家族に亀裂を入れたいとは思わないはずだ。
     那樣說了,班諾一瞬間抬頭看上面的樓梯之後,浮現了苦笑。早早亡故了父母操勞著的班諾,就像是看到柯琳娜就明白了般,非常珍惜著家人,失去了戀人貫徹著獨身般有著深情的地方。應該不會想著想要對路茲的家人加入裂痕。

    「丸く収めようと思ったら、ルッツにうまく説明して、成人まで我慢させるしかないんじゃないですか? 成人すれば、親の許可なんて必要なくなるんですから、家族との対立を避けて、今は待つという選択肢が一番無難ですよね?」
    「想要圓滿收場的話,要好好對路茲說明,直到成人之前不是只能忍耐了嗎? 因為成人的話,父母的許可什麼的就變得不需要了,避開與家人的對立,現在鳴圍等待的選項是最妥當的吧?」

     親の許可がなければ一生街から出られないというならともかく、成人すれば夢が叶うのだから、今は我慢しても良いと思う。ルッツが家族にはもう耐えられない、と言ってしまったならともかく、わざわざ亀裂を入れる必要もないはずだ。
     若是所謂沒有父母的許可就一生都不能從街道裡出來姑且不論,因為成人的話夢想就能實現,我認為現在忍耐是最好的。如果路茲說,已經無法對家人忍耐了姑且不論,應該沒有特意加入裂痕的必要。
     わたしの最も無難な提案にベンノは渋い顔をして首を振った。
     班諾對我最妥當的提議做出悶悶不樂的表情搖了搖頭。

    「それでは、遅い。間に合わん」
    「那樣的話,太慢了。趕不上」
    「何に、ですか?」
    「是、什麼啊?」

     何か間に合わせなければならないようなことがあっただろうか。わたしが首を捻ると、ベンノがぐっと眉を寄せて目を逸らす。
     是有什麼必須要趕上不可般的事情呢。我左思右想後,班諾使勁皺眉別開目光。

    「こちらの事情だ。……今は言えんな」
    「是這邊的事情。……現在不能說」

     仕事上の事情ならば、ギルベルタ商会の人間ではないわたしが深く聞いて良いことではない。「そうですか」と軽く流した後、うーんと唸った。
     如果是工作上的事情的話,並非基魯貝路塔商會的人的我深入打聽就不是很好了。輕輕流出「是那樣嗎」之後,嗯地呻吟了。

    「じゃあ、仮に今回の件でルッツと家族との亀裂が決定的なものになったとしましょう。ルッツは家族より商人としての生き方を選択すると思いますけど、ベンノさんはどれだけルッツの支援をしてくれるんですか? 余所の街に連れて行こうと考えてくれるくらいだから、期待されているのは間違いないと思ってます。でも、ただの見習いの一人であるルッツの生活の面倒をどこまで見てくれるんですか?」
    「那麼,暫時以這次的事來作為路茲和與家人的裂痕會成為決定性的東西吧。雖然認為路茲比起家人會選擇作為商人的生活方式,但班諾先生能給予路茲多少的支援呢? 因為要去考慮到要帶去別處的城鎮,我認為毫無疑問會被期待。但是,能照料只是身為一位實習的路茲的生活到哪裡呢?」

     ダルア契約をしているルッツに対して、ベンノは生活の面倒を見る義務を負っていない。ルッツの生活まで面倒を見るようになれば、他のダルアとの間にまた差がつく。
     對於做了達魯亞契約的路茲,班諾沒有承擔照料生活的義務。變成連路茲的生活都要能照料的話,在與其他的達魯亞之間又會有差距。
     ベンノが考えているのが仕事面だけで、生活面の面倒を見る気がないなら、今から住み込み見習いになってもルッツが苦労するだけだ。それくらいなら現状維持の方が良い。
     班諾考慮著的就只有工作面,如果沒有生活面的照料的心情,就算從現在開始成為住宿實習路茲也只是操勞著。若是那樣維持現況還比較好。

     適当な言い逃れは許さない、と思いながら、わたしがベンノを見据えると、ベンノは降参だというように軽く手を上げた。
     一邊想著、適當的推託之辭無法允許,我一邊直視著班諾後,班諾像是說著投降班輕輕抬起了手。

    「俺としては……養子縁組を考えている」
    「對我來說……是考慮著收為養子的」
    「えぇ!?」
    「咦!?」

     予想もしていなかった答えにわたしは仰天した。
     我對沒有預想過的答案非常吃驚。
     ベンノがそこまでルッツの面倒を見てくれるなら、たとえルッツが躊躇いもなく家を飛び出したとしても、わたしは一安心だ。ルッツが商人として街の外に出ることを選んで家族から離れたとしても、ベンノという受け皿があるなら、生活面でも仕事の面でも心配はない。
     班諾如果要去照料路茲到如此地步,譬如就算路茲猶豫也沒有就跑出家裡,我也能放心了。路茲就算決定作為商人選擇去到城鎮的外面離開了家人,如果有名為班諾的托盤,不論是生活面還是工作面都不用擔心。

    「ベンノさんがルッツの事をそこまで考えてくれているとは思いませんでした。だったら、ルッツにも事情を話して、ルッツの両親を交えて話をするのが一番じゃないですか!」
    「我沒有想過班諾先生會去考慮路茲的事到如此地步。那樣的話,也跟路茲說說情況,交雜路茲的雙親的談話不是最好的嗎?」
    「ルッツに話す、か……」
    「跟路茲說、嗎……」

     うぅむ、と躊躇うようにベンノが唸る。
     嗯、地像是猶豫般班諾呻吟著。

    「どうするにしても、ルッツの意思が大事だと思います。ルッツは今まで自分で考えてきたんですから」
    「就算決定該怎麼做,我認為路茲的意志最重要。因為路茲至今都是自己考慮著」

     養子縁組するということはルッツがいずれベンノの店を継ぐということだ。ギルベルタ商会はコリンナの子供が継ぐと言っていたから、多分、植物紙やイタリアンレストランなどマイン工房に関する事業を継ぐことになるのだと思う。だからこそ、新しく植物紙の工房を作る時にルッツに立ち合わせたいのだろう。
     所謂收為養子的事情就是所謂路茲早晚會繼承班諾的店的事情。因為有說過基魯貝路塔商會是柯琳娜的小孩繼承,大概,我想會變成繼承植物紙及義式西餐廳之類有關瑪茵工坊的事業的事情。正是如此,在創造新的紙物紙的工坊的時候會想要路茲在場吧。
     今までのルッツの頑張りがベンノに認められたことがわかって、わたしは自分が褒められたみたいにとても嬉しくなった。
     能明白至今為止的路茲的努力被班諾認可的事情,我像是自己被稱讚變得非常高興。

    「お前はルッツが俺の養子になれば嬉しいか?」
    「妳是高興著路茲成為我的養子嗎?」
    「養子がってことじゃなくて、ルッツの頑張りが評価されたことが嬉しいです」
    「才不是說養子的事情,路茲的努力被評價的事情很高興」

     ベンノはフッと笑うと、ベルを鳴らしてマルクを呼んだ。どうやら、秘密のお話は終わりのようだ。
     班諾呼地笑了後,鳴響鈴叫來了馬爾克。看來,祕密的談話似乎結束了。

    「何が御用でしょうか、旦那様?」
    「有什麼事嗎,老爺?」
    「ルッツを呼んでくれ」
    「去叫路茲」
    「かしこまりました」
    「謹遵吩咐」

     流れるような綺麗な動きでマルクが一度退室して、ルッツを連れて戻ってくる。ルッツがよくマルクを見て真似ているのだろう。動きが似てきているのが、ちょっと面白い。
     馬爾克以流水般的美麗動作一度退室,去帶回了路茲。路茲好好的看著馬爾克模仿著吧。雖動作很相似,但有點有趣。

    「ルッツ」
    「路茲」
    「はい、旦那様」
    「是的,老爺」
    「今度お前の両親に話したいことがある。近いうちに席を設けてくれないか?」
    「這次有想要對你的雙親交談的事。在近期內能不能去座談呢?」

     ベンノの言葉はあまりにも唐突で、ルッツは面食らったように瞬きした後、少し首を傾げた。
     因班諾的話語太過唐突,路茲像是驚慌般眨眼之後,稍微感到納悶。

    「……オレの親に? はぁ、わかりました」
    「……我的父母? 唉,我知道了」

     ルッツの口から一応の了承が取れると、ベンノは軽く頷いて、本日の業務内容をルッツに述べる。わたしを神殿に送った後、トロンベ紙を量産中のマイン工房で作業をしてこい、というものだった。
     從路茲的口中取得姑且的諒解後,班諾輕輕點頭,將今日的業務內容講述給路茲。是所謂,將我送到神殿之後,在量產著特隆貝紙中的瑪茵工坊做著作業的東西。

    「かしこまりました。行くぞ、マイン」
    「謹遵吩咐。走吧,瑪茵」
    「うん。じゃあ、ベンノさん。よろしくお願いします」
    「嗯。那麼,班諾先生。萬事拜託了」
    「マインは他の課題についても考えておけよ」
    「瑪茵關於其他的課題也先考慮吧」
    「ふぁい……」
    「好……」

     わたしはルッツと一緒に神殿に向かう。ルッツにとって何もかもが良い方向に向かっているようで、思わず鼻歌が出てしまう。
     我與路茲一起朝向神殿。對路茲來說的所有一切似乎都朝向好的方向,不由得哼出歌來。

    「ご機嫌だな、マイン」
    「心情很好呢,瑪茵」
    「だって、嬉しいもん」
    「因為,很高興咩」
    「まぁ、旦那様の説教を受けた割に、元気そうでよかったよ」
    「算了,在受到老爺的說教的比例上,似乎很有精神太好了啊」
    「う……そういうことは思い出させないで」
    「唔……那種事情別讓我想起來啊」

     道中、ルッツが話してくれた内容によると、わたしが熱を出していた間、ルッツはトロンベ紙を量産するためにベンノからマイン工房に派遣されていたらしい。孤児達と森へ行って、黒皮を量産したり、よく二人でしていたようにカルフェ芋を持って行って、カルフェバターを作ったりしたらしい。
     途中,經由路茲交談來的內容,我發燒期間,路茲為了量產特隆貝紙似乎從班諾那被派遣到瑪茵工坊。與孤兒們往森林去,似乎又是量產黑皮,又是像是作為要好的兩個人帶著卡魯菲薯去,製作成奶油卡魯菲。

    「マインよりオレの方が工房長っぽいことしてねぇ?」
    「比起瑪茵我這邊更是做著工坊長般的事情呢?」

     ルッツの言葉にわたしは軽く肩を竦めた。青色巫女は労働してはいけないらしいので、わたしには手を出せない。みんなで楽しそうにやっているので、交じりたいけれど、禁止されているのだ。
     我對路茲的話語輕輕聳聳肩。由於藍色巫女似乎不能工作,我是不能出手的。由於大家愉快似地做著,雖然想要摻雜,但被禁止著。

    「工房長は巫女見習いをしながら、収益を上げるためだけの肩書だからね。実際に動くルッツには工房長補佐の肩書とお給料を渡すから頑張ってよ」
    「因為工坊長儘管是做著實習巫女,也只是為了提高收益的頭銜呢。因為會交付給實際上行動的路茲工坊長輔佐的頭銜和薪水加油吧」
    「工房長補佐って言えば、カッコイイけど、マインのお手伝いだろ? 今までと何も変わんねぇし」
    「稱為工坊長輔佐的話,雖然很帥,但是瑪茵的幫手吧? 與至今為止什麼都沒變啊」
    「これからも多分変わらないよ。わたしが新しい商品を考えて、ルッツが売るんだから」
    「今後大概也不會改變喔。因為我考慮新商品,路茲販賣啊」

     ルッツにマイン工房で孤児達の指導をさせて紙を作らせるのも、植物紙を広げるために必要な、ベンノによる教育の一部だろう。
     讓路茲在瑪茵工坊當孤兒們的指導製做紙張也是,在為了推廣植物紙上是必要的,是經由班諾的教育的一部分吧。

    「……あれ? 誰もいない?」
    「……奇怪? 誰都不在?」

     神殿に着いたものの、門に側仕えの姿はない。わたしが神殿に行くようになってから、誰も門で待っていないのは初めてだった。
     雖然到達神殿,但門邊沒有近侍的身影。從我變得要去神殿開始,誰都沒待在門邊是第一次。

    「旦那様から説教されるから、いつになるかわからないってフランに連絡したからな。直接部屋に向かえばいいだろ?」
    「因為被老爺說教了,因為聯絡弗蘭說不知道會到何時呢。直接朝向房間就可以了吧?」
    「うん」
    「嗯」
    「オレ、工房に行くからな。帰りには迎えに行く」
    「我,因為要去工坊呢。會來迎接回去的」

     ルッツとは礼拝室に向かう階段の手前でわかれて、わたしは階段を上がった後、孤児院の建物をくるりと回って自室へと向かった。
     與路茲在朝向禮拜室的樓梯跟前分別,我爬上樓梯之後,回繞孤兒院的建築物朝向自己房間。
     いつもは側仕えが開けてくれるドアが閉まっていて、少し戸惑う。
     總是盡是去打開的門緊閉著,稍微疑惑。

     バーンと開けちゃってもいいかな? 誰かがいたら危ないから、軽くノックした方が良いかな? もしかしたら、中に声をかけて開けてくれるのを待った方が良いのかも?
     是否磅地打開也可以呢? 因為有誰在的話會很危險,是否輕輕敲會比較呢? 說不定,對裡面喊一聲等待來打開會比較好吧?

     側仕えを呼ぼうにも、ベルを持ち歩いているわけではないし、大声を上げて呼ぶのははしたないと怒られたし、どうするのが正解だろうか。お貴族様らしい行動がわからず、しばらく考えてみたが、自分の部屋に入るだけで、悩むのがバカバカしくなって、軽くノックしてドアを開けることにした。
     在呼喚近侍上,也並沒有隨身攜帶著鈴,發出大聲呼喚會被生氣不要做,該怎麼做才是正解呢。不知道像是貴族大人的行動,雖試著戰時思考,但只是進入自己的房間,煩惱變得像個笨蛋,決定輕輕敲打開門。

     ……どうせ怒るような人はいないし、後でフランに正解を聞いてみようっと。
     ……反正沒有會生氣般的人在,在之後試著跟弗蘭打聽正解吧。

     コンコンとノックして、「開けますよ」と声をかける。ドアノブに手をかけて開ければ、慌てた様子でフランが早足に階段を下りてくるのが見えた。
     叩叩地敲著,發出「要打開了喔」的聲音。把手放在門把上打開的話,看到弗蘭以慌張的樣子快步爬下樓梯。

    「おはようございます、フラン。心配をかけましたね。熱も下がったし、もう大丈夫ですわ」
    「早上好,弗蘭。讓你擔心了呢。燒也退了,已經不要緊了喔」

     非常に困り果てた顔のフランが一度ちらりと二階の方へと視線を向けて、声を潜める。
     非常狼狽的表情的弗蘭一度將視線朝向二樓的方向一眼,壓低聲音。

    「マイン様、実は……」
    「瑪茵大人,其實……」
    「側仕えも連れずに淑女が一人で歩くとは何事だ?」
    「近侍也沒帶的淑女獨自走路是怎麼回事?」
    「へ!? 神官長!?」
    「哎!? 神官長!?」

     まさか自分の部屋で神官長の姿を見ることになるとは、全く考えていなかったわたしは、ぽかーんとしたまま、二階から見下ろしてくる神官長を見上げた。
     對於變成畢竟是在自己的房間看到神官長的身影這事,完全沒考慮過的我,依然呆愣著,抬頭看從二樓俯視過來的神官長。

    「口を閉じなさい。みっともない。……それより、外ではどうか知らぬが、神殿の中を一人で歩くような品位に欠ける真似は決してしないように」
    「請閉上嘴。真不像話。……比起那個,雖不知道在外面是如何,但像獨自走在神殿之中般欠缺品味絕對不要模仿」

     フランに促されて二階へと向かい、神官長を差し向かいで優雅にお茶を飲みながら、くどくどと続くお小言をおとなしく聞いた。
     被弗蘭催促朝向二樓,面對著神官長一邊優雅地喝著茶,一邊老實聽著叨叨絮絮地持續著的數落。
     神官長のお小言によると、貴族らしいドアの開け方の正解は「必ず先触れを出し、門で側仕えを待たせる」もしくは、「門番に到着を告げ、待合室で側仕えが来るのを待つ」だった。
     根據神官長的數落,像貴族的開門方法正解是「必定提出預告,讓近侍在門邊等待」或者是,「像門衛報告到達,在接待室等待近侍過來」。

     ……わたしにはちょっと難しかったね。
     ……對我來說有點難呢。

     ドアの開け方一つで、よくここまでお小言が出てくるな。いつ終わるんだろう、と退屈になってきたわたしは、神官長の訪問理由を知らないことに気が付いて、話題を変えることにした。
     以一個開門的方法,真虧能出現到此為止的訓誡呢。何時會結束啊,變得那樣無聊起來的我,注意到不知道神官長的訪問理由的事,決定改變話題。

    「神官長、ドアの開け方はわかりました」
    「神官長,開門的方法知道了」
    「ドアの開け方ではない。何を聞いていた!? 私は淑女としての在り方を……」
    「並不是開門的方法。是聽到了什麼!? 我是在將作為淑女應有的樣子……」

     あらま。お小言はドアの開け方ではなかったらしい。
     哎呀。訓誡似乎並非是開門方法。
     お説教がヒートアップして再開しそうなところを遮って、わたしは神官長に質問した。
     遮蔽說教白熱化快要再開的地方,我詢問著神官長。

    「訪問の理由をお伺いしてよろしいですか? 神官長がわたくしのお部屋にいらっしゃるなんて、よほどの理由がおありなのですよね? お急ぎではないのですか?」
    「可以詢問拜訪的理由嗎? 神官長來到我的房間什麼的,有相當的理由吧? 並沒有很緊急嗎?」

     普段ならとっくに書類に向かっている時間だ。わたしが手伝うことで余裕ができたとは言っていたが、その余裕をお小言に振り分けられては堪らない。
     平時的話早就是面向文書的時間了。雖說因我的幫忙而能有餘裕,但將那份餘裕分配給數落無法忍受。
     神官長は本題を思い出したのか、軽く咳払いしてわたしを見る。
     神官長是想起了正題了嗎,輕輕乾咳看著我。

    「熱は完全に下がったのか?」
    「燒完全退了嗎?」
    「え? えぇ、すっかり回復いたしました。ご心配をおかけして申し訳ありませんでした」
    「咦? 對,全都恢復了。讓您擔心了非常抱歉」
    「それはよかった」
    「那就太好了」

     よかった、言いながら、神官長が底冷えのする笑みを浮かべた。秘密の部屋で見る時のお説教モードにビクッとして、背筋を伸ばす。
     一邊說著、太好了,神官長一邊浮現寒冰徹骨的笑容。對在祕密的房間看到時的說教模式嚇了一跳,挺直了背部。

    「私は騒ぎを起こすな、と言ったはずだ。違うか?」
    「我應該說了,別引發騷動。不是嗎?」
    「え? え?」
    「咦? 咦?」

     熱で寝込んで数日たっているし、ベンノとの話があったせいで、神官長が何の事を言っているのか、一瞬わからなかった。
     因燒臥床數天過去了,因有與班諾說話的緣故,神官長是在說什麼事情呢,一瞬間不明不白。

    「本当に後始末がしっかりできているのか確認に向かってみれば、広範囲に渡って土が掘り返され、石畳の一部がわずかに浮いていた」
    「試著朝向真的好好完成了善後工作了嗎的確認的話,遍佈廣範圍裡的泥土被挖掘,石板路的一部份微微浮起了」

     こんなところに来る青色神官なんていない、と思っていたが、神官長はわざわざ確認に行ったようだ。多忙なくせに自分で確認せずにはいられない神経質で苦労性な人らしい。
     雖然想著,沒有什麼會來這種地方的藍色神官,但神官長似乎特地去確認了。似乎是在百忙之中自己不確認不行的神經質且操勞成性的人。
     金色にも見える目が細められ、わたしを逃すまいと捕らえる。
     能看到金色的眼睛被瞇起,不會放跑地捕捉住了我。

    「一体何をしたらそんな状況になる?」
    「到底做了什麼才會變成那種狀況?」
    「何って……その……事前に報告したように……」
    「要說什麼……那個……就像事前報告的……」

     フランに視線を向ける。一体フランは何と報告したのだろうか。どう答えれば丸く収まるのか、全くわからない。
     將視線朝向弗蘭。到底弗蘭報告了什麼呢。如何回答才能圓滿收場呢,完全不知道。

    「フランを初め、孤児達の誰に聞いても、紙の原料になる木を刈った。タウの実を投げ合った。君が熱を出して倒れた、としか答えないのだが?」
    「就算問了以弗蘭為首,孤兒們的誰,都是割了能成為紙的原料的木頭。互相投擲濤之果。妳發燒倒下了,雖沒有那以外的答案?」
    「……本当にそれ以外は特に何もしていません」
    「……真的就那些以外什麼都沒特別去做」

     わたしは神官長の言葉尻に乗っかって、頷いた。
     我乘著神官長的話尾,點頭。
     タウの実が魔力を吸ったことや刈った木がトロンベだということは漏れていないのだろうか。神官長にどれだけの情報が渡っているかわからなくて、わたしは余計な事を言わないように口を噤む。あとでフランにどういう追及があったのか聞いてみよう。
     濤之果會吸收魔力及割的木頭名為特隆貝的事情沒有洩露吧。不知道哪些情報交付給了神官長,我想是不說多餘的事般噤口。過一會兒試著聽聽對弗蘭會有怎樣的追究吧。

    「全員の回答が似たようなものになるということは、間違いはないのだろう。だが、石畳をひっくり返すほどのことをしておいて、何の騒ぎも起こしていないとは言えまい?」
    「所謂全員的回答都是相似的東西這事,毫無疑問對吧。但是,沒說過會做把石板路翻過來般的事情,什麼騷動都沒發生吧?」

     これから、一体どれだけ追及されるか、とわたしが身構えていると、神官長はじろりとわたしを睨んで命じた。
     今後,到底會被追究到哪裡呢,我擺起架勢後,神官長瞪了我一眼後命令了。

    「マイン、君は今日一日反省室だ」
    「瑪茵,妳今天一天在反省室」
    「え?」
    「咦?」

     ……追及はなしですか? ベンノさんなら執拗な追及をしますよ?
     ……沒有追究嗎? 如果是班諾先生會執著的追究喔?

     わたしが寝込んでいる間に孤児達から事情を聞きだしていたせいだろうか、神官長はそれ以上を追求することなく、罰を課した。
     是在我臥床的期間從孤兒們打聽出事情的緣故嗎,神官長沒有做追求那以上的事情,課以罰責。

    「反省室、ですか?」
    「是反省室、嗎?」
    「そうだ。神に祈りを捧げ、己の所業をよく反省するように」
    「沒錯。像是對神獻上祈禱,好好反省自己的所作所為」
    「……はい」
    「……是」

     肩透かしというか、黙って反省室ならそれでいいや、と思ったわたしと違って、反省室行きの言葉を聞いた瞬間、フランは真っ青になったし、デリアは「信じられない!」と叫んだ。
     與沉默著是叫閃躲嗎、想著如果是反省室那也可以,的我不同,聽到去反省室的話語的瞬間,弗蘭變得鐵青,蝶莉亞「無法置信!」地叫喊了。

    「青色の巫女見習いが反省室なんて聞いたことがないですわ! みっともない!」
    「藍色的實習巫女在反省室什麼的從沒聽過啊! 真不像樣!」
    「神官長、反省室はお考え直しください!」
    「神官長,反省室請重新考慮」

     どうやら、わたし、史上初、反省室に入れられた青色巫女見習いになるようです。
     看來,我好像,會成為,史上第一個被放入反省室的實習藍色巫女。
     はっきり言って、神官長の底冷えのする雰囲気で怒られながら、ねちねちと祭りの日の事をほじくり返されるくらいなら、反省室に籠る方を選びたい。
     清楚的說,一邊被以神官長寒冷徹骨的氛圍罵,一邊嘮嘮叨叨地將祭典那天的事給挖出來的話,想要選擇窩在反省室那邊。

    「二人とも、わたくしが神官長とのお約束を破ったせいですから仕方ありませんわ。責任を取るのは当たり前ですもの。孤児院の子供達にお咎めがなければいいのです」
    「兩位,因為我違背了與神官長的約定的緣故沒有辦法喔。承擔責任是理所當然的東西。沒有對孤兒院的小孩子們責難就好了」

     一緒に騒いだ孤児達が連帯責任で叱られなかったのなら、それでいい。あんなに楽しそうだったのに、せっかくの楽しい思い出が神官長のお説教や反省室で塗りつぶされたら可哀想だ。
     如果一起吵鬧的孤兒們沒有因連帶責任被斥責,那樣就好。明明是那麼樣快樂似的,難得的愉快回憶因神官長的說教及反省室被抹滅的話很可憐。

    「あの、神官長。反省室とはどこにあって、入って何をするのでしょうか? あ、いえ、反省するのはわかってますよ? その反省がわかるように、何かしなければならないことがありますか?」
    「那個,神官長。反省室在哪裡,進入要做什麼嗎? 啊,不,要反省室明白的喔? 就像明白那個反省一樣,有什麼必須要做的事情嗎?」

     正座しろとか、反省文を書けとか、罰として掃除しろとか、麗乃時代に怒られた時の色々が脳裏に浮かぶ。
     正座之類,寫反省文之類,作為懲罰的打掃之類,在麗乃時代被生氣時的種種浮現腦海裡。
     神官長は軽く片方の眉を上げて、「何を言っているんだ、君は」と呟いた。神殿関係者には当たり前のことを質問してしまったようだ。
     神官長輕輕揚起一邊的眉毛,嘟噥著「在說什麼啊,妳」。似乎對神殿關係者詢問著理所當然的事情。

    「神に祈りを捧げるに決まっているだろう?」
    「肯定是對神獻上祈禱吧?」

     え? 一日グ○コの刑ってことですか?
     咦? 是一天固○果之刑的東西嗎?

     予想外の苦行に言葉を発せずにいると、ギルが「マイン様、オレ、慣れてるから一緒に入ってやるよ」と慰めてくれた。もちろん、反省室への付き添いは認められず、わたしは一人で反省室に入ることになった。
     對意料之外的苦行不發一語後,基魯給了「瑪茵大人,我,因為習慣了一起進去做吧」的安慰。當然,往反省室的陪伴是不被認可的,變成我一個人進入反省室的事情。

    「ここでよく反省するように」
    「在這裡好好的反省」

     わたしは神官長に礼拝室のすぐ側にある反省室へと連れていかれ、中に入るように促された。
     我被神官長帶往就近在禮拜室旁的反省室,被催促進去裡面。
     礼拝室と同じ白い石造りの小部屋で、かなり上の方に細く空気を取り込むための隙間が開いているのが見える。それが明かり取りにもなっていて、白い小部屋は思ったよりも明るい。
     在與禮拜室同樣白色時造的小房間,看到在相當上面的地方打開了細小的為了將空氣收進來的縫隙。那個也成為了天窗,白色的小房間比認為的還明亮。
    床も周りの壁も全てが白い石でできているこの小部屋は夏なのにひやりと冷たかった。冬は大変そうだが、夏はそれほど厳しい環境でもなさそうだ。
    不論地板還是周圍的牆壁全部都用白色石頭完成的這個小房間明明是夏季卻涼颼颼地寒冷。雖然冬季似乎會很辛苦,但夏季似乎也並不是那麼嚴苛的環境。

    「マイン様、大丈夫ですか?」
    「瑪茵大人,不要緊嗎?」
    「えぇ、大丈夫ですわ」
    「嗯,不要緊喔」

     心配そうなフランとギルの顔がバタリと閉められた木の扉で見えなくなった。
     擔心似的弗蘭和基魯的臉因吧嗒地被關上的木大門而變得看不見了。
     見張る人もいないのに、わたしが真面目に祈りを捧げるはずもなく、すとんと隅っこに座り込んだ。ひんやりとしていて、とても落ち着く感じだ。
     明明監視者也沒有,我應該也不會認真地獻上祈禱,啪啦地在角落裡坐著不動。作為冰冰涼涼的,非常冷靜的感覺。

     こっそりとスカートのポケットに入れていた課題一覧を取り出して、問題解決について考えることにした。
     偷偷地將放進裙子的口袋裡的課題一覽拿出來,決定思考關於解決問題的事情。

    「うーん、これは一見さんお断りのシステムをうまく取り入れれば、何とかなるんじゃないかな? こっちはどうしよう? 神官長に貴族の食事を知りたいので、ランチとディナーに招待してください、なんて今はちょっと頼みにくいよねぇ」
    「嗯,這樣能將拒絕過路客的體系好好收起來的話,不就是會變得能設法了嗎? 這邊是怎麼做的? 由於想要知道貴族的餐點,請神官長招待午餐和晚餐,什麼的現在有點難以拜託呢。」

     もしかしたら、まだ本調子ではないのだろうか。あまりに眠たくなってきた。お腹の空き具合から、お昼は過ぎたと思う。課題一覧の紙を畳んで、ポケットに入れると、床にゴロリと横になった。少しお昼寝して体力を回復させようと、うとうとする心地に任せて目を閉じる。
     或許,還並非是正規狀態嗎。變得過於想睡起來。從肚子空空的情形,想著過中午了。折疊課題一欄的紙,放入口袋後,變成橫倒在地板上。打算稍微午睡讓體力恢復,打起瞌睡任憑感覺閉起眼睛。

    「マイン、反省しなければならないというのに、何を寝て……っ!? フラン!」
    「瑪茵,明明說了必須要反省,睡什麼……!? 弗蘭!」
    「わぁ! マイン様っ!?」
    「哇! 瑪茵大人!?」

     ひやりと冷たい石造りの床で昼寝をしているうちに体が冷えきってしまったようだ。わたしを反省室から出すために神官長がやって来た時には完全に熱が出て、動けなくなっていた。
     在以涼颼颼地冰冷石造地板午睡著的期間身體似乎冷了起來。在為了讓我從反省室出來的神官長來到的時候完全發燒,變得無法動彈著。
     回復して神殿に出したその日にまた熱を出させてしまうなんて、母に何と詫びよう、とフランが頭を抱えるのが、耳元で聞こえる。
     弗蘭煩惱著,在恢復了來到神殿的那一天再次讓我發燒什麼的,要如何對母親道歉,在耳邊聽到了。

    「回復したのではなかったのか!?」
    「並沒有恢復嘛!?」
    「恐れながら、神官長。マイン様の虚弱さを甘く見過ぎでございます。反省室はお考え直しくださいと申し上げたではないですか」
    「恐怕是的,神官長。太過小看瑪茵大人的虛弱了。不是說過反省室請重新考慮嗎」
    「体面ではなく、体調を考えての言葉だったのか……」
    「並非面子,而是考慮身體住況的話語嗎……」

     フランの忠告を聞き流したことで、回復直後にわたしがまた熱を出して寝込むことになってしまった。これは自分の責任だと、わたしを反省室に入れた神官長が深く反省したらしい。
     由於將弗蘭的忠告當耳邊風,變成了緊接恢復之後我又發燒臥床的事情。這是自己的責任,把我放入反省室的神官長似乎深刻反省著。



     わたしが寝込んで三日目。
     我臥床的第三天。
     寝室にトゥーリが駆けこんできた。
     圖麗跑進臥室裡。

    「大変だよ、マイン! ルッツが家出して帰ってこなかったって、ラルフが!」
    「不得了了喔,瑪茵! 拉魯夫說,路茲離家出走沒有回來!」
    「えぇ!?」
    「咦!?」

     反射的に起き上がった瞬間、わたしの身体は崩れ落ちた。
     反射性起來的瞬間,我的身體崩落。

    ======================================================================
     ベンノさんがルッツを養子にするつもりがあることをマインが知りました。
     瑪茵知道了班諾先生有打算將路茲當養子的事。
     マインは特に反省してないのに、神官長が反省することになりました。
     瑪茵明明沒有特別反省,神官長卻變得要反省了。

     次回は、ルッツの家出です。
     下回是,路茲的離家出走。






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